認知症
認知症の主な症状
「認知症」は、脳の働きの低下が原因となって引き起こされるさまざまな症状のことです。その症状には、主に脳の働きの低下によって起こる症状(中核症状)と、環境や体験、気質によってあらわれる症状(周辺症状)があります。
認知症はいろいろな症状のあつまり
脳の働きの低下による症状
すべての人にいずれかの症状があらわれる
症状 | 具体的な症例 |
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記憶障害 | ひどい物忘れ・新しい記憶が抜け落ちる |
判断力の低下 | 正しい方を選べない |
理解力の低下 | 新しいルールがのみこめない |
見当識障害 | 時間、場所、人がわからない |
実行機能障害 | 慣れているはずのことが段取りよくできない |
環境や体験、気質による症状
約8割の人に、いずれかの症状があらわれる
症状 | 具体的な症例 |
---|---|
多弁・多動 | おしゃべりが止まらない・じっとしていない |
暴言・暴力 | 突然怒り出す・攻撃的になる |
排泄トラブル | おもらしをする・便を手にとる |
徘徊 | あてもなく歩き回って帰れなくなる |
食行動異常 | 過食・拒食・異食(食べ物以外のものを口に入れる) |
昼夜逆転 | 夜になると興奮して大声を出す |
幻覚 | そこにないものが見えると言う |
妄想 | お金を取られたなどと思い込む |
認知症の主な原因
「認知症」は、さまざまな病気により脳の働きが低下して起こる一連の症状をさす言葉で、病名ではありません。認知症の原因になる病気は、一般にはアルツハイマー病がよく知られていますが、ほかにもたくさんあります。病気によって症状のあらわれ方や治療方法などが変わるため、早めに診断を受けることが重要です。
認知症の原因になる病気
コラム認知症と遺伝
認知症が遺伝するかどうか心配されているかたも多いでしょう。たしかに、現在の研究では、認知症の発症に関わる遺伝子がいくつかあることがわかっています。しかし、家族が認知症であっても発症しない人も多く、発症したとしても、それが遺伝の影響である可能性は低いものです。
例えば「アルツハイマー型認知症」では、高齢になるほど発症率が上がることから、加齢の影響が大きく遺伝の影響は少ないと考えられます。遺伝の影響があるとされる「若年性アルツハイマー病」でも、発症した人のうち遺伝が疑われるのは約1割、遺伝子の影響が明らかなのはさらにその半分程度といわれています。
認知症の発症にはいろいろな要因が複雑に関係しています。認知症予防の観点から見れば、遺伝を心配して気分が沈んでしまうのは、よくありません。毎日をいきいきと前向きに過ごし、予防に目を向けていきましょう。